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価値法則を資本主義の基本法則とみる経済学の立場

2009-12-01 05:33

P163~164
 
 ホッブスがはじめて問題にし想像した市民社会は、自由・平等・独立の新興の市民たちの活躍する社会である。スミスは市民社会のことを商業社会とよんだ。
 
スミスの考えた市民社会は、封建的な旧社会に対立する、経済がすぐれて重要な意味を持つ社会、すなわち商品生産社会である。イギリスの市民社会は、ホッブスの時代からスミスの時代まで、すなわちイギリス市民革命の時代からイギリス産業革命の時代までに実在したといわれる。
 
だが、その時代においても実際に存在したのは、資本主義に性格づけられた商品生産社会である。ブルジョア・イデオローグたちは、商品生産社会をそれだけ抽象してとらえ、これに社会のあるべき姿をみて、これを自由・平等・独立の市民社会だといったのである。
 
 自由・平等・独立の人間が商品交換をつうじて関係する社会はけっして資本主義以前に実在したのではない。すべての生産物が商品となり、すべての人々が商品交換者となる社会こそが資本主義社会である。労働力までもが商品化し、大工業が発展し、資本主義生産様式が社会の支配的生産様式となって、商品生産社会が完成するのである。
 
 ところが、産業革命以前、資本主義生産様式がまだ支配的にならない時期、商品生産はそれだけが独立して存在するかのような外観を呈する。
 
労働者と資本家の対立がまだ歴史の舞台に登場しなかったこともその理由であろう。また階級関係も単純化せず、商品生産が部分的には自立して存在したこともその理由であろう。
 
引用:社会科学の生誕

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